ドイツ語の動詞は主語によって、形を変えて使うのが特徴です。(これを「人称変化」という)
変化の仕方は、動詞によって異なります。
これは日本語や英語とは異なり独特な概念ですが、とても重要なポイントです。
今回は「e→i・ieに変化する動詞」を学んでいきます。
目次
「e→i・ieに変化する動詞」ポイント
- 「e→i・ieに変化する動詞」は、主語が「Du(あなた)」「Er・Sie(彼・彼女)」のとき「e→i」、または「e→ie」に変化させる
- それ以外の変化の仕方は規則変化と同じで、語尾を「e・st・t・en・t・en」と変化させる
- ドイツ語の動詞は、語尾の「en」の部分を主語によって変化させる(人称変化という)
- 人称変化の仕方は動詞によって異なる
「e→i・ieに変化する動詞」の変化方法
ドイツ語の動詞は語尾が必ず「en」で終わります。
この「en」で終わっている動詞の状態が「動詞の原形」です。
例:「sprechen/話す」
(教科書などでは不定詞と載っています)
「Du・Er・Sie」のとき 「e→i・ie」 に変化させる
「e→i・ieに変化する動詞」の場合、
- 主語が「Du(2人称単数)」と「Er・Sie(3人称単数)」のとき
- 「e→i」、または「e→ie」に変化させる
- それ以外の変化の仕方は規則変化と同じで、語尾を「e・st・t・en・t・en」と変化させます。
どの動詞が「e→i・ieに変化する動詞」かは、覚えるしかありません。
主語によってどう変化するかに注目して、例をみてみましょう。
また、「あなた、彼・彼女」のとき「e→i・ie」に変化していることにも注目しましょう。
例:「sprechen/話す」
私 | Ich | spreche | 1人称 |
あなた | Du | sprichst | 2人称 |
彼・彼女 | Er ・Sie | spricht | 3人称 |
私たち | Wir | sprechen | 1人称複数 |
あなたたち | Ihr | sprecht | 2人称複数 |
彼・彼女ら | Sie | sprechen | 3人称複数 |
あなた (敬称) | Sie | sprechen | 2人称の敬称 |
例:「sehen/見る」
私 | Ich | sehe | 1人称 |
あなた | Du | siehst | 2人称 |
彼・彼女 | Er ・Sie | sieht | 3人称 |
私たち | Wir | sehen | 1人称複数 |
あなたたち | Ihr | seht | 2人称複数 |
彼ら・彼女ら | Sie | sehen | 3人称複数 |
あなた (敬称) | Sie | sehen | 2人称の敬称 |
「e→i」、または「e→ie」に変化している箇所と動詞の語尾「en」が、
主語によって変化しているのがわかります。
「Du sprichst/あなたは話す」を例にみてみましょう。
規則変化なら、主語が「Du」のとき語尾を「st」に変化させるだけです。
しかし、「e→i・ieに変化する動詞」の場合、
語尾を「st」に変化させることに加えて、「e→i」、または「e→ie」と変化させる必要があります。
例:「sprechen/話す」→「Du sprichst/あなたは話す」
(「sprechen/話す」は、「e→i」型に変化する動詞です)
「e→i・ie」に変化する主な動詞一覧
「e→i」型の主な動詞一覧
sprechen | 話す |
essen | 食べる |
helfen | 助ける・手伝う |
geben | 与える |
treffen | 会う |
など。
「e→ie」型の主な動詞一覧
sehen | 見る |
lesen | 読む |
など。
例文
肯定文
Er liest ein Buch.
(彼は本を読みます)
※動詞の原形は「lesen」
Er isst mit dem Vorgesetzten zu Mittag.
(彼は上司とお昼を食べます)
※動詞の原形は「essen」
Sie hilft ihrer Mutter.
(彼女はお母さんを手伝います)
※動詞の原形は「helfen」
Sie sieht jeden Abend die Nachrichten.
(彼女は毎晩、ニュースを見ます)
※動詞の原形は「sehen」
Sie sehen viele Filme.
(あなた(敬称)は、たくさん映画を見ます)
※あなた(敬称)の「Sie」です。「sieht」とはしません。
疑問文
Liest er Bücher?
(彼は本を読みますか?)
Triffst du Herrn Saito in Tokyo?
(あなたは東京で佐藤さんに会いますか?)
Siehst du die Frau dort?
(あなたはあそこに立っている女性が見える?)
否定文
- 動詞・形容詞・名詞の否定には「nicht」
- 名詞の否定には「kein」
基本的には、それぞれ否定する語の前に置く
ドイツ語の否定には「nicht」と「kein」の2種類があり、使い分けが必要です。
Er liest keine Bücher.
(彼は本を読みません)
※名詞の否定形「kein」は、名詞によって形が変わります。
Ich esse nicht gern Gemüse.
(私は野菜を食べるのが好きではありません)
- 「e→i・ieに変化する動詞」は、主語が「Du(あなた)」または「Er・Sie(彼・彼女)」のとき「e→i」、または「e→ie」に変化させる
- それ以外の変化の仕方は規則変化と同じで、語尾を「e・st・t・en・t・en」と変化させる
- ドイツ語の動詞は、語尾の「en」の部分を主語によって変化させる(人称変化という)
- 人称変化の仕方は動詞によって異なる
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