【ドイツ語「関係代名詞」】wer, was不定関係代名詞の使い方解説!例文問題付き!
ドイツ語の関係代名詞には、「定関係代名詞」と「不定関係代名詞」があります。
今回は「不定関係代名詞」について詳しく解説します。
不定関係代名詞とは?
そもそも、関係代名詞には以下2種類があります。
- 定関係代名詞…der・die・das(格変化する)
- 不定関係代名詞…wer(格変化する)、was
不定関係代名詞とは?
- 不定関係代名詞とは、先行詞を持たない関係代名詞
- wer(~する人)、was(~な事・物)の2種類がある。
- werは、英語の関係代名詞whoに相当、
- wasは、英語の関係代名詞whatに相当します。
先行詞とは?定関係代名詞とは?
関係代名詞の基本ルール
- 関係文の中では、動詞は文末に置かれる
- 関係文は必ずコンマで区切る
- 「格」は関係文の中の役割で決まる
関係代名詞の基本の使い方はこちら
「wer」不定関係代名詞の使い方
格変化一覧
wer は以下のように格変化します。
1格 |
wer |
2格 |
wessen |
3格 |
wem |
4格 |
wen |
格変化しますが、実際の会話でよく使われるのはほぼ1格です。
2格~4格は、ことわざなどで使われるような、少し特殊な言い回しのときが比較的に多いです。
そのため、試験ではなく会話を重視して理解する場合は、1格の使い方を理解できれば、まずは十分です。
【wer】1格の使い方
「今日、学校へ来る人は、手紙をもらう」という文を、関係代名詞werを使って作ってみます。
1格は、主語としてwerを使う。
- Wer heute in die Schule kommt(今日、学校へ来る人)
- ① bekommt einen Brief(①は手紙を貰う)
①と②を合体させます。
Wer heute in die Schule kommt, bekommt einen Brief.
(今日、学校へ来る人は、手紙を貰う)
動詞の位置
Wer heute in die Schule kommt, bekommt einen Brief.
(今日、学校へ来る人は、手紙を貰う)
赤字で書かれている動詞は、なぜこの位置なのでしょうか?
- 「Wer heute in die Schule kommt」は関係文なので、動詞のkommtは関係文の文末に置かれています。
- 「bekommt einen Brief.」の主語は「Wer heute in die Schule kommt」です。そのため、「Wer heute in die Schule kommt」自体がポジション①となり、動詞はその次の位置(ポジション②)に置かれます。結果として、コンマの次に動詞が置かれています。
基本の語順の解説はこちら
動詞の人称変化・活用
Wer heute in die Schule kommt, bekommt einen Brief.
(今日、学校へ来る人は、手紙を貰う)
kommtもbekommtも、3人称単数の変化です。
例えば上記の例文が、学校へ来る多くの人(対象が複数)に呼び掛ける文だとしても、不定関係代名詞werを使っていれば、動詞の変化は「3人称単数」の変化になります。
【wer】2~4格の例文
2格
Wes’ Brot ich ess, des’ Lied ich sing.
意味は「お世話になった人のことは褒めるものだ」
※Wessen Brot ich esse, dessen Lied singe ich.を省略したことわざ。
3格
Wem der Song gefällt, hebt bitte die Hand!
この曲を気に入った人は手を挙げてください。
Wem das Essen nicht schmeckt, braucht es nicht zu essen.
この料理が口に合わない人は食べなくても結構です。
4格
Wen es interessiert, kann sich gern bei mir melden.
興味ある人は連絡してくださいね。
「was」不定関係代名詞
関係代名詞「was」の基本ルール
- 「was」は格変化しない
- 「was」を関係文の文頭に置く
- 基本的に先行詞を持たない
先行詞のない場合の関係代名詞「was」
Die Schüler reden zu viel im Unterricht, was unseren Lehrer ärgert.
(授業中に生徒たちがおしゃべりすることは、私たちの先生をイライラさせる。)
上記の例文では特定の先行詞が無く、この文の関係代名詞wasは「Die Schüler reden zu viel im Unterricht(授業中に生徒たちがおしゃべりすること)」の文全体を指しています。
先行詞がある場合の関係代名詞「was」
「~する事、物」を表すwasは、上記の例文のように先行詞が無くても使えますが、先行詞を一緒に使う場合もあります。
「関係代名詞wasの先行詞」でよく使われるのは、以下3つのパターンです。
- alles, nichts, etwas, einiges, manches, vielesなど
- das
- das Beste, das Schönsteなど名詞化した形容詞の最上級の形
1つずつ詳しく見てみましょう。
先行詞:alles, nichtsなど
- alles(全て)
- nichts(何も…ない)
- etwas(あるもの/こと)
- einiges(いくつか)
- manches(いくつか)
- vieles(多く)
など
「これが、今私ができることのすべてです」という文を作ってみます。
- 主文:これがすべてです
- 関係文:これは今、私ができること
Das ist alles, was ich jetzt für dich tun kann. (これが、今私ができることのすべてです)
Das ist etwas, was ich nicht verstehe.
(それは私が理解できないことです)
Es gibt vieles, was man wissen muss, wenn man ein Geschäft eröffnet.
(お店を開業する時、知らなければならないことがたくさんあります)
先行詞:das(それ)
「彼の言うことは、いつも興味深いと思う」という文を作ってみます。
- 主文:それを私はいつも興味深いと思う
- 関係文:彼の言うこと
Das, was er sagt, finde ich immer interessant.
(彼の言う事は、いつも興味深いと思う)
関係文を文中に食い込ませています。
以下のように関係文を文末に置くこともできます。
Das finde ich immer interessant, was er sagt.
「Was er sagt, finde ich immer interessant.」
上記のように関係文を文頭に置いても通じますが、話し言葉です。
日本語で例えると、「いつも興味深いよね。彼の言うことは」と言う感じです。
文法的に正しく書くと「彼の言う事はいつも興味深いよね」ですね。
Das, was sie gekauft hat, habe ich kaputtgemacht.
(彼女が買った物を、私は壊した)
関係代名詞と現在完了を一緒に使うときの語順は、
「関係代名詞 + …(文末に)過去分詞 + 現在完了haben・sein」
関係代名詞の語順は副文と同じです
先行詞:名詞化した形容詞の最上級
名詞化した形容詞の最上級
- das Beste(一番良い)
- das Schönste(一番良い、一番きれい)
など
「これは今までやったことの中で一番良かったことです」という文を作ってみます。
- 主文:これは一番良かった
- 関係文:私が今までやったことの中で
Das war das Schönste, was ich je gemacht habe.
(これは今までやったことの中で一番良かったことです)
例文問題
ここまでの解説を参考に、日本語をドイツ語に訳してみましょう
問1
資料をまだ持っていない人は、ここに来てください
問2
シンポジウムに参加できる人は、手をあげてください
問3
あなたが言ったことが分からなかった
問4
私が彼にできることは、もう何もない
解答
問1
Wer noch keine Unterlagen hat, kommt bitte hierher.
(資料をまだ持っていない人は、ここに来てください)
問2
Wer am Symposium teilnehmen kann, hebt bitte die Hand.
(シンポジウムに参加できる人は、手をあげてください)
問3
Das, was du gesagt hast, habe ich nicht verstanden.
(あなたが言ったことが分からなかった)
問4
Es gibt nichts mehr, was ich für ihn tun kann.
(私が彼にできることは、もう何もない)