【ドイツ語「人称代名詞」とは?】指示代名詞との違いは?ich, mir, mich…発音付きで使い方解説

ドイツ語 人称代名詞の使い方 文法基礎 独検5・4級レベル

ドイツ語の代名詞には、様々な種類があります。

今回は「人称代名詞」について詳しく解説します。

人称代名詞とは?

人・物の名詞を代替できるもの

人称代名詞を使って、名詞を省略したり、

文中にすでに登場した名詞の繰り返しを避けることができます。

 

人称代名詞の格変化一覧

 

あなた

彼女

それ

1格(~が)

ich

(イッヒ)

du

(ドゥー)

er

(エア)

sie

(ズィー)

es

(エス)

2格(~の)

  ─

  ─

  ─

  ─

  ─

3格(~に)

mir

(ミア)

dir

(ディア)

ihm

(イーム)

ihr

(イーア)

ihm

(イーム)

4格(~を)

mich
(ミッヒ)

dich

(ディッヒ)

ihn

(イーン)

sie

(ズィー)

es

(エス)

 

 

私たち

あなたたち

彼ら・彼女ら

あなた(敬称)

1格(~が)

wir

(ヴィーア)

ihr

(イーア)

sie

(ズィー)

Sie

(ズィー)

2格(~の)

  ─

  ─

  ─

  ─

3格(~に)

uns

(ウンス)

euch

(オイヒ)

ihnen

(イーネン)

Ihnen

(イーネン)

4格(~を)

uns

(ウンス)

euch

(オイヒ)

sie

(ズィー)

Sie

(ズィー)

 

 

※人称代名詞の2格は、現代においてほぼ使われていないので省略します。

2格は、ほぼ使いません

現代において、会話では人称代名詞の2格はほぼ使われていません。

2格を会話で使うと「固い・エレガントな・古風」な表現になります。

 

2格(~の)を伝えるときは、人称代名詞の代わりに以下を使う方が自然です。

  • 所有冠詞の2格
  • 「gehören」動詞
  • 「von」前置詞

 

格とは?

格とは、「が・の・に・を」を表すもの

日本語の「が・の・に・を」をドイツ語で伝えるとき、「1格・2格・3格・4格」という4つの格を使います。

この4つの格が、おおむね日本語の「が・の・に・を」に相当しています。

例えば、「母が」は1格、「母の」は2格、「母に」は3格、「母を」は4格といった具合です。

 

※おおむね日本語に相当

動詞や前置詞などによって日本語とは違う「が・の・に・を」を使うことがあります。

例えば「助ける」。日本語では「母を助ける」ですが、ドイツ語では「母に助ける」と3格を使います。

このように必ずしも日本語の「が・の・に・を」と一致するとは限らないということです。

 

いつ使う?人称代名詞の使い方

①人の代名詞として使う

Ich kenne Herrn Sato.(私は佐藤さんを知っています)

   ↓

Ich kenne ihn.(私は彼を知っています) 

  • 「佐藤さんを/Herr Sato」が、人称代名詞で「彼を/ihn」に変化しています。

 

②物(名詞)の代名詞として使う

この使い方が、ドイツ語の人称代名詞の特徴です。

 

物の名詞を、人称代名詞で伝えるときは以下の代名詞を使います。

男性名詞

er

中性名詞

es

女性名詞

sie

複数

sie

物(名詞)の性によって、人称代名詞を使い分けます。 

関連記事:【ドイツ語「名詞の性」】見分け方一覧 / 規則があるものまとめ

 

さらに文によって、1格~4格の変化をさせます(格変化)

 

男性名詞

女性名詞

中性名詞

複数

1格(~が)

er

(エア)

sie

(ズィー)

es

(エス)

sie

(ズィー)

2格(~の)

seiner

(ザイナー)

ihrer

(イーラー)

seiner

(ザイナー)

ihrer

(イーラー)

3格(~に)

ihm

(イーム)

ihr

(イーア)

ihm

(イーム)

ihnen

(イーネン)

4格(~を)

ihn

(イーン)

sie

(ズィー)

es

(エス)

sie

(ズィー)

 

<例>

Ich kaufe einen Pullover 

  ↓

Ich kaufe ihn 

  1. 「Pullover/セーター」は「男性名詞」
  2. そのため、人称代名詞は「er」を使う
  3. 「~を(4格)」なので、「ihn」になる

 

③名詞の繰り返しを避ける

人・物の代名詞として使える人称代名詞を応用して、

文中ですでに登場した名詞を、省略して伝えることができます。

 

Ich treffe mich mit Hiroshi. Ich gehe mit ihm aus. 

(私はひろしと会う。そして、彼と出かける)

Hiroshi/ひろし→ihm/彼」と人称代名詞で省略している。

  1. 「ひろし」は「男性」
  2. そのため、人称代名詞は「er」を使う
  3. 前置詞「mit」の影響で3格を使うので、「ihm」になる(人称代名詞一覧、参照)

 

Ich habe eine Tasse gekauft. Und ich schenke sie ihm.

(私はコップを買った。そして、それを兄へプレゼントした)

「eine Tasse/コップ→sie/それ」と人称代名詞で省略している。

  1. 「コップ」は女性名詞
  2. そのため、人称代名詞は「sie」を使う
  3. 「~を(4格)」なので、「sie」になる(人称代名詞一覧、参照)

 

指示代名詞との違い・使い分け

人称代名詞と似ている「指示代名詞」というものがあります。

この2つは、以下のように使い分けます。

  • 人称代名詞→名詞の繰り返しを避ける
  • 指示代名詞→名詞を強調する、目の前のもの(名詞)を指し示す

 

使い分け①「名詞の繰り返しを避ける」と「名詞を強調する」

例文を比較してみましょう。

 

①Der Kuchen ist zu süß. Ich esse ihn nicht.

(このケーキは甘すぎる。だから、私はそれを食べない)

②Der Kuchen ist zu süß. Den esse ich nicht.

(このケーキは甘すぎる。それを私は食べないよ)

 

①の例文は、人称代名詞です。

つまり、前半で登場した「ケーキ」を、後半の文では繰り返しを避けて「ihn」と言っています。(人称代名詞・男性名詞・4格)

 

②の例文は、指示代名詞です。

つまり、前半で登場した「ケーキ」を、後半の文では強調して伝えるために「den」を使っています。(指示代名詞・男性名詞・4格)

 

指示代名詞で強調するときには、語順にも注意

ドイツ語では、強調したいものを文の初めに置くという語順の決まりがあります。

この決まりの影響で後半の文は、

Ich esse ihn nicht/人称代名詞」と

「Den esse ich nicht/指示代名詞」で

語順が異なります。

 

使い分け② 目の前のもの(名詞)を指し示す

「目の前のものを実際に指し示す」ときは、指示代名詞を使います。人称代名詞は基本使いません。

 

例【状況:友達との会話】

A:Wie wär’s mit dieser Tasche?(このかばん、どうかな?)

B:Die sieht hübsch aus!(それ、かわいいね!)

  • 目の前の「かばん」を指しながら(見ながら)使っています
  • 「Die(指示代名詞)」が「Tasche/かばん」の代わりになっています

 

例【状況:パン屋さんにて】

A:Welches Brot hätten Sie denn gern?(どのパンにしますか?)

B:Ich hätte gern das hier.(これにします)

  • 目の前の「パン」を指しながら使っています。
  • 「das(指示代名詞)」が「Brot/パン」の代わりになっています

 

このように、実際に目の前の名詞を指し示すときは、指示代名詞を使います。

 

応用:共通の認識があるか、ないか。

目の前に対象の名詞が無くても、共通の認識がある名詞は、指示代名詞・人称代名詞どちらでも使えます。

 

A:Wie findest du den neuen Audi?(新しいアウディの車、どう思う?)

B:人称代名詞:Ich finde ihn cool! 

B:指示代名詞:Der ist cool! 

(あれ、かっこいいよね)

「新しいアウディの車」を、AさんもBさんも思い浮かべながら話しています。

このように、目の前に対象の名詞が無くても、共通の認識があれば指示代名詞・人称代名詞どちらでも使えます。

 

A:Hast du den neuen Star Wars gesehen?

(スターウォーズ見た?)

B:人称代名詞:Natürlich! Ich finde ihn klasse!

  指示代名詞:Den finde ich klasse!

(もちろん!あれ大好き!)

  • 「スターウォーズ」のことを、AさんもBさんも認識して話しています。
  • よって、指示代名詞・人称代名詞どちらでも使えます。

 

共通認識があっても、人には指示代名詞は使わない

A:Wie ist dein neuer Vorgesetzter?

(あなたの新しい上司はどう?)

B:人称代名詞:Er ist nett und freundlich.

(彼は良い人だよ)

  • 「新しい上司」のことを、AさんもBさんも認識して話しています。
  • しかし、共通認識があっても、人に対しては指示代名詞は基本使いません。

詳しい解説は【ドイツ語「指示代名詞」とは?】使い方と、人称代名詞との違い【文法解説】をご覧ください

 

例文で感覚を掴もう!

Er kauft ein Auto. Es ist sehr teuer.

(彼は車を買う。それはとても高い)


Meine Mutter liebt diesen Kuchen. Sie kauft immer so einen.

(私の母はこのケーキが好きだ。彼女はいつもそれを買う)


Sie hat ein Kleid gekauft. Es gefällt ihr.

(彼女はドレスを買った。そしてそれを気に入っている)


Wie ist das neue Auto?(新しい車はどう?)

Es ist wirklich super!(あれはすごくいいね!)


Sie liebt ihn.

(彼女は彼を愛している)


Ich gebe ihm ein Geschenk.

(私は彼にプレゼントをあげる)


Wie gehen mit ihnen ins Restaurant.

(私たちは彼らとレストランへ行く)

 

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