【ドイツ語「分離動詞」】過去形・現在完了との使い方。分離動詞の過去分詞はどうする?
ドイツ語には「分離動詞」という文法があります。その名の通り、分離させて使うドイツ語の独特な動詞です。
今回は、「分離動詞」を「過去形・現在完了」と一緒に使うときの方法です。
分離動詞の基本の使い方はこちら
そもそも、いつ分離させる?
分離動詞は「過去形・現在形・命令形」の時に分離させます。
「現在完了・助動詞・副文」などでは、分離させずに使います。
「現在完了」と分離動詞
そもそも、ドイツ語の過去表現には「過去形」と「現在完了」がありますが、以下のように使い分けます。
- 会話で分離動詞を使うときは基本的に「現在完了」
- 書き言葉で分離動詞を使うときは「過去形」
会話で分離動詞を使うときは「現在完了」
会話で分離動詞を使うときは基本的に「現在完了」を使います。ポイントは以下2点です。
- 現在完了の文で分離動詞を使うときは、分離させずに過去分詞にする。
- 分離動詞でも「sein現在完了」と「haben現在完了」を使い分ける。
【sein現在完了・ haben現在完了】使い分け
- 基本的に、場所の移動・状態の変化を表す分離動詞は「sein現在完了」
(例:起きる、壊れる、到着する、など) - それ以外は「haben現在完了」を使う
- sein現在完了:Ich bin vom Flughafen Narita abgeflogen.
(私は成田空港を出発しました)
- haben現在完了:Ich habe ihn angerufen.
(彼に電話しました)
「出発」は場所の移動なのでsein現在完了、「電話」は場所の移動でも状態の変化でもないのでhaben現在完了を使っています。
ここまでの解説を図にすると下記のようになります。
語順
Gestern habe ich eingekauft. (私は昨日、買い物をしました)
- 原形:ein|kaufen
- 過去分詞:eingekauft
分離動詞の過去分詞
- 後ろ部分の動詞を、過去分詞にします。
- 前綴りはそのまま、過去分詞に合体させます。
分離動詞の過去分詞一例
- an|machen(点ける)→angemacht
- an|kommen(到着する)→angekommen
- auf|stehen(起き上がる)→aufgestanden
など
過去分詞は「ge…t型」「ge…en型」「不規則に変化型」の3つのタイプがあります。
どの動詞がどの変化型に属するのかは、特に規則はありません。
過去分詞の詳しい解説は【ドイツ語「現在完了haben/sein」】過去形との違いは?使い分けは?【文法と作り方】をご覧ください。
例文
現在完了のseinかhebenのどちらが使われているかを意識して、例文を見てみましょう
肯定文
Ich bin gestern um 7 aufgestanden.
(昨日は7時に起きました)
Sie ist am Sonntag nach Deutschland zurückgekommen.
(彼女は日曜日にドイツへ帰りました)
Das Smartphone ist kaputtgegangen.
(スマホが壊れました)
Ich habe das Smartphone kaputtgemacht.
(私がスマホを壊しました)
- kaputtgehen(壊れる)→sein現在完了
- kaputtmachen(壊す)→haben現在完了
kaputtgehen(壊れる)は、移動の動詞(gehen)が使われているので「sein現在完了」を使います。
疑問文
Ist er gestern angekommen.
(彼は昨日、到着しましたか?)
Wer hat ihn abgeholt?
(誰が彼を迎えに行きましたか?)
否定文
Ich habe ihn nicht angerufen.
(彼に電話しませんでした)
Ich habe ihn nicht eingeladen.
(私は彼を招待しませんでした)
「過去形」と分離動詞
分離動詞を過去形で使うときは、基本的に、新聞や物語の書き言葉のときだけです。
(会話のときには、現在完了を使います)
語順・使い方
Gestern kaufte ich ein.(私は昨日、買い物をしました)
分離をさせて、2番目に置く動詞は過去形にします。
原形:ein|kaufen
例文
Er kam vorhin in der Schule an.
(彼は先ほど、学校に着きました)
Sie machte das Fenster auf.
(彼女は窓を開けた)