日本語の場合、「知ってる」も「理解できる」も全て「分かる」で通じますが、ドイツ語の場合、wissen・kennen・verstehenという3つを使い分けます。
文法解説で詳しくみてみましょう。
目次
いつ使う?「知ってる・分かる」の使い分け・違い
- Verstehen →理解の「分かる」
- Kennen→見分・体験で知っている
- Wissen →情報・知識として知っている
ドイツ語で「知ってる・分かる」を伝える言い方は色々あり、上記のように使い分けが必要です。
比較!「kennen」と「wissen」使い分け
「kennen」と「wissen」の使い分けが、今回の重要ポイントです。
一覧で比較
「kennen」 | 「wissen」 |
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例文で比較
例1
(彼のこと知ってるよ)
「彼」に実際に会ったことがあり、彼を知っている。
よって、「kennen」を使います。
(彼の仕事を知ってるよ)
「彼の仕事」を情報として知っている。
よって、「wissen」を使います。
例2
(私は彼女の家を知っています)
「彼女の家」に実際に行ったことがあり知っている。
よって、「kennen」を使います。
(私は彼女の家の住所を知っています)
「住所」を情報として知っている。
よって、「wissen」を使います。
住所・アドレス・番号など数字を知っているときは、「wissen」を使います。
例3
(近くの美味しいレストランを知ってるよ!)
実際にお店に行ったことがあるときは、「kennen」を使います。
(近くの美味しいレストランを知ってるよ!)
上記と同じことを言っていますが、
人から聞いた、情報として知っている場合「wissen」を使います。
例4
(あなた(敬称)は、この辺りの静かなカフェを知っていますか?) 「静かなカフェ」かどうかは、実際にお店に行ったことがないと分かりません。 そのため、体験を聞く「kennen」を使いそうですが、 この文は副文が必要なので「wissen」を使います。 (あなたは、ひろしがどんなに優しい人か知ってる?) 「どんなに優しい人か」は、実際に会ったことがないと分からないので「kennen」を使いそうですが、 この文は副文が必要なので「wissen」を使います。 例えば、問題や話などが ”理解できたか” を聞く・伝える時に使うのがverstehenです。 主語など+verstehen(主語によって変化)+名詞など 例:Ich verstehe die Aufgabe. (私はこの問題を理解できます) ドイツ語の動詞は、主語によって形を変えて使うのが特徴です。(これを人称変化という) 私 Ich verstehe 1人称 あなた Du verstehst 2人称 彼・彼女 Er ・Sie versteht 3人称 私たち Wir verstehen 1人称の複数 あなたたち Ihr versteht 2人称の複数 彼ら・彼女ら Sie verstehen 3人の複数 あなた(敬称) あなたたち(敬称) Sie verstehen 2人称の敬称 「実際に自分が見たり、聞いたり、行ったり、会ったりしたことで、実際に経験して知っている」を伝えるときは、kennenを使います。 例:Ich kenne Herrn Sato. (私は佐藤さんを知っています) 私 Ich kenne 1人称 あなた Du kennst 2人称 彼・彼女 Er ・Sie kennt 3人称 私たち Wir kennen 1人称の複数 あなたたち Ihr kennt 2人称の複数 彼ら・彼女ら Sie kennen 3人の複数 あなた(敬称) あなたたち(敬称) Sie kennen 2人称の敬称 情報(番号・数字など)や、知識として知っているを伝えるときは「wissen」を使います。 また、実体験で知っていることでも、副文を必要とする文のときは「Wissen」を使います。 「wissen」は目的語に副文をとれます。 そのため、副文があるか・ないかによって少し語順が変わります。 例:Ich weiß seine Adresse. (私は彼のアドレスを知っています) 例:Ich weiß, wo der Bahnhof ist. (私は知っています。駅がどこにあるか) ↓ (私は駅がどこにあるか知っています) 青文字部分が副文です。 私 Ich weiß 1人称 あなた Du weißt 2人称 彼・彼女 Er ・Sie weiß 3人称 私たち Wir wissen 1人称の複数 あなたたち Ihr wisst 2人称の複数 彼ら・彼女ら Sie wissen 3人の複数 あなた(敬称) あなたたち(敬称) Sie wissen 2人称の敬称 Ich kenne seine Mutter. (私は彼のお母さんを知っています) Ich kenne ihn sehr gut. (彼のことはよく知っています) Er weiß ihre Telefonnummer. (彼は彼女の番号を分かります) Ich verstehe ein bisschen Deutsch. (私はドイツ語が少し分かります) Ich weiß, als was er arbeitet. (私は彼の仕事を知っています) Ich weiß, wo die Post ist. (私は郵便局がどこにあるか分かります) Kennen Sie Frank? (あなた(敬称)は、フランクさんを知ってますか?) Nein, ich kenne ihn nicht. (いいえ、知りません) Ja, ich kenne ihn. (はい、知っています) Kennst du Titanic? (タイタニック(映画)知ってる?) Verstehen Sie, was er meint? (彼の考えが分かりますか?理解できますか?) Wissen Sie, als was er arbeitet? (あなた(敬称)は、彼の仕事を知っていますか?) Wissen Sie, dass Hiroshi heute kommt? (あなた(敬称)は、今日ひろしが来ることを知っていますか?) 基本的には、それぞれ否定する語の前に置く ドイツ語の否定には「nicht」と「kein」の2種類があり、使い分けが必要です。 Wir kennen das Bild nicht. (私たちはこの絵画を知りません) Ich weiß seinen Namen nicht. (私は彼の名前を知らない) Sie verstehen kein Deutsch. (彼らはドイツ語が分かりません) Ihr wisst noch nicht, dass sie kommt. (あなたたちは、彼女が来ることをまだ知らない) verstehenの使い方
語順
「verstehen」の人称変化一覧
Kennenの使い方
語順
「kennen」の人称変化一覧
wissenの使い方
語順
副文がないとき
副文があるとき
「wissen」の人称変化一覧
例文
肯定文
疑問文
否定文
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上記の例文「Ich weiß ein gutes Restaurant hier in der Nähe!(近くの美味しいレストランを知ってるよ!)」
は、例文比較のために副文なしを載せていますが、
母語話者は「wissen(知っている)」を使うときは、副文を使うことが多いです。
副文を使った場合
Ich weiß, wo hier in der Nähe ein gutes Restaurant ist!
(近くの美味しいレストランを知ってるよ!)