【ドイツ語「所有冠詞・所有代名詞」とは?】「mein」の使い方・格変化【文法解説】
「私の~」「あなたの~」と所有関係を伝えるとき、ドイツ語ではどのように言えばいいのでしょうか?
文法解説で詳しく解説します。
所有冠詞とは?
「私の~」「君の~」と所有関係を伝える冠詞(教科書によっては、「所有代名詞」という)
英語の「my~」「your~」に相当し、ドイツ語では「mein~」「dein~」となります。
冠詞なので、名詞の前に付けて、格変化させて使います。
冠詞には文法用語で、定冠詞(der)・不定冠詞(ein)・定冠詞類(dieserなど)不定冠詞類(meinなど)の種類があります。
「不定冠詞類」などの言い方は、文法用語です。これ自体を覚える必要はありません。
どう使う?所有冠詞の使い方
まずは所有冠詞の一覧をみてみましょう
所有冠詞一覧
私の |
mein |
あなたの |
dein |
彼の |
sein |
彼女の |
ihr |
それの |
sein |
私たちの |
unser |
あなたたちの |
euer |
彼らの |
ihr |
あなた(敬称) |
Ihr |
さらに上記の所有冠詞を、後ろに置く名詞の性別・格によって語尾を変化させます。(格変化)
「mein/私の~」を例に一覧をみてみましょう。
「mein/私の~」変化一覧
男性名詞 |
女性名詞 |
中性名詞 |
複数名詞 | |
1格 (~が、は) |
mein |
meine |
mein |
meine |
2格 (~の) |
meines-(e)s |
meiner |
meines-(e)s |
meiner |
3格 (~に) |
meinem |
meiner |
meinem |
meinen |
4格 (~を) |
meinen |
meine |
mein |
meine |
mein以外の変化一覧は下記記事を参考にしてください
実際に、後ろに名詞をつけてみましょう
例①:「私のコンピューターを」→「meinen Computer」
- 「コンピューター/Computer」は男性名詞。
- 「~を」は4格。
したがって、ここでの冠詞は「meinen」が入る。
「mein/私の~」以外の例
例②:「あなたの本が」→「dein Buch」
- 「あなたの~」は「dein」
- 「本/Buch」は中性名詞
- 「~が」は1格。
したがって、ここでの冠詞は「dein」が入る。
例③:「彼の猫に」→「seiner Katze」
- 「彼の~」は「sein」
- 「猫/Katze」は女性名詞
- 「~に」は3格
したがって、ここでの冠詞は「seiner」が入る。
このようにドイツ語で「私の~」「彼の~」など所有を伝えるときは、1格~4格を使い分け、
さらに名詞が「男性・女性・中性・複数」のどれに該当するのかを考えなければいけません。
そのため、所有冠詞を使いこなすには名詞の性も覚える必要があります。
次は例文でみてみましょう
例①:「私は私の娘にかばんを買う」
⇩
「Ich kaufe meiner Tochter eine Tasche 」
- この文での所有冠詞は、「私の娘に」で3格
- 「私の~」は「mein」
- 「娘」は女性名詞
したがって、「 meiner」を使います。
例②:「明日、彼女の友人たちが来ます」
⇩
「Morgen kommen ihre Freunde.」
- この文での所有冠詞は、「彼女の友人たちが」で1格
- 「彼女の~」は「ihr」
- 「友人たち」は複数名詞
したがって、「ihre」を使います。
所有冠詞で間違いやすいポイント
所有冠詞は「私の~」を伝えるものですが、日本語の「の」に引っ張られないように注意が必要です。
例えば、「私の娘に/meiner Tochter」と文を作りたいときは、
「私の娘」で一つの名詞と考えましょう。
「私の娘 に」この「に」を所有冠詞にすると考えましょう。
「私の○○が」「私の○○に」赤字になっている部分の格を意識するといいでしょう。
【応用編】2格の代わりに「gehören」や「von」を使う
冠詞の2格を使うと、ほとんどの場合「固い」「エレガント」「古風」な表現になります。
そのため、日常会話において使う頻度は低いです。
今回の所有冠詞で2格(例:私の○○の)も同様で、日常会話において使う頻度は低いです
代わりに「動詞gehören+3格」や「前置詞von+3格」で伝える方が自然です。
例をみてみましょう。
Das Auto gehört meinem Vater.
(これは私の父の車です)
Das ist der Mann von meiner Schwester.
(こちらが私の姉の旦那です)
詳しい解説こちらでしています。
所有冠詞2格の使い方
既に説明した通り、冠詞の2格は日常会話ではあまり使いませんが、
念のため、所有冠詞で「私の○○の」を伝える方法です。
「これは私の兄のかばんです」
⇩
「Das ist die Tasche meines Bruders.」
- この文での所有冠詞は、「私の兄の」で2格
- 「私の~」は「mein」
- 「兄」は男性名詞
したがって、「 meines」を使います。
2格(~の)冠詞を使うときは少し注意が必要です。
男性名詞と中性名詞のときに、名詞の終わりに「s」または「es」をつけます。
これは2格だけのルールです。
参考:1格と2格の比較
1格(~が):mein Bruder
⇩
2格(~の):meines Bruders
【応用編】名詞なしで「私のだよ」と伝える
Das ist mein Auto.
(それは私の車です)
⇩
Das ist meins.
(それは私のです)
名詞を省略して「私のです」と伝えるときは、変化させていない所有冠詞に「s」をつけます。
私の | meins |
君の | deins |
彼の | seins |
彼女の | ihrs |
それの | seins |
私たちの | unsers |
君たちの | euers |
彼らの | ihrs |
あなた(敬称) | Ihrs |
さらに動詞などを省略して伝えることもできますが、この言い方は家族や友人など親しい間、もしくは子どもが使うような表現です。
【例文】
Ist das deins?(これはあなたの?)
Ja, meins!(うん!私のだよ!)
例文で感覚を掴もう!
所有冠詞(mein,deinなど)が、名詞の性と格(が・の・に・を)によって、どう変化しているか注目しながら例文をみてみましょう
Das ist mein Smartphone.
(これは私のスマホです)
Das ist deins.
(それはあなたのです)
Du leihst deinem Freund ein Buch.
(あなたはあなたの友達に本を貸す)
Du hilfst deinem Freund.
(あなたはあなたの友達を助ける)
※「助ける」はドイツ語の場合「3格/~に」を使う
Wir machen uns Sorgen um ihre Gesundheit.
(私たちは彼女の健康を心配しています)
Ich gehe mit meinen Freunden ins Kino.
(私は映画館へ私の友人たちと行きます)
※前置詞「mit(~と)」の影響で3格を使うので、複数・3格でmeinenが入る
Ich werde seine Mutter nicht treffen.
(私は彼のお母さんには会いません)
例文問題
カッコ内に格変化した所有冠詞を入れてみましょう
問1
( )ist Studentin.
(私の姉は大学生です)
問2
Das sind ( )
(こちらが私の子どもたちです)
問3
Hast du dich mit ( ) getroffen?
(あなたは私の母に会いましたか?)
問4
Kennst du ( )?
(あなたは彼の上司を知っていますか?)
解答
問1
Meine Schwester ist Studentin.
(私の姉は大学生です)
問2
Das sind meine Kinder.
(こちらが私の子どもたちです)
※「子どもたち」は複数形
問3
Hast du dich mit meiner Mutter getroffen?
(あなたは私の母に会いましたか?)
問4
Kennst du seinen Vorgesetzten?
(あなたは彼の上司を知っていますか?)